乳がん術後放射線療法の利益をリキッドバイオプシーで予測できるか?
Association of Circulating Tumor Cell Status With Benefit of Radiotherapy and Survival in Early-Stage Breast Cancer
背景
血中の腫瘍細胞(CTC)は乳がんにおいて再発・死亡を予測するマーカーであるが、臨床管理をガイドするマーカーとなりうるだろうか。Northwestern UniversityのGoodmanらは、pT1-2かつpN0-1でCTC検査を受けた乳がん患者データをNational Cancer Database(n=399)と第III相SUCCESS試験(n=294)から収集、術後補助放射線療法とアウトカムの関連を検証した(n=1,697)。
結論
放射線療法と生存期間(NCDBコホート)および5年無病生存率(SUCCESSコホート)は、CTCステータスに依存した。NCDBコホートのCTC陽性患者では、放射線療法はOS延長と関連したが(時間比2.04)、CTC陰性患者では関連しなかった(0.80)。両コホートの乳房温存患者でも、CTC陽性患者でのみ放射線療法とOS延長が関連した(4.37 vs. 0.87)。一方で乳房切除患者では、CTC陽性・陰性ともに放射線療法とOSの関連は見られなかった。
評価
CTCステータスが、乳房温存術後の放射線療法ベネフィットを予測するマーカーとなる可能性を示した。前向確認されれば、治療精緻化へ向けた大きな意義を持つ。


