乳がんサバイバーの妊娠は予後に悪影響を与えない
Long-term Safety of Pregnancy Following Breast Cancer According to Estrogen Receptor Status
背景
エストロゲン受容体(ER)陽性の乳がんサバイバーでは、妊娠が予後に悪影響を与えるのではないかとの懸念が存在した。ベルギーUniversite Libre de BruxellesのLambertiniらは、乳がん後に妊娠した女性333名と妊娠を経験しなかった874名において生存期間を比較する多施設・症例対照研究を実施した。
結論
中央値7.2年の妊娠後追跡期間で、ER陽性患者・ER陰性患者とも、妊娠による無病生存期間への有意な影響は見られなかった。ER陽性患者では全生存期間(OS)についても同様であったが、ER陰性患者では妊娠群でOS良好であった(ハザード比0.57)。中絶、妊娠までの期間、母乳保育、術後補助療法の種類はアウトカムに影響しなかった。
評価
短期報告に続いて(http://doi.org/10.1200/JCO.2012.44.2285)、より長期の追跡でも、ERステータスが妊娠を選択したサバイバーの予後に影響しないことを確認した。妊娠を希望するサバイバーで術後ホルモン療法の中断が許容可能かという問題に関しては、POSITIVE試験が実施されている(NCT02308085)。


