ステージIII結腸がんでの補助化学療法は短縮可能か?:6つのRCTの統合解析
Duration of Adjuvant Chemotherapy for Stage III Colon Cancer
背景
ステージIII結腸がんでの術後補助化学療法では、オキサリプラチンとフッ化ピリミジン系代謝拮抗剤の組み合わせが標準となっているが、神経毒性の問題もあり投与期間の短縮が検討されてきた。Mayo ClinicのGrotheyらは、ステージIII結腸がん患者で3ヶ月または6ヶ月の補助化学療法(FOLFOXまたはCapeOX)を比較した第III相ランダム化試験6件で、事前指定プール解析を行った。
結論
12,834名の患者で3,263件の再発・死亡イベントが報告された時点で、3ヶ月療法の非劣性は確認されなかった(ハザード比1.07)。レジメン別では、CapeOXでは期間短縮の非劣性が示された(0.95)一方、FOLFOXでは示されなかった(1.16)。探索的解析では、T1・T2・T3N1腫瘍で期間短縮が非劣性であったのに対し(1.01)、T4またはN2患者では6ヶ月群が優った(1.12)。
評価
全体としては3ヶ月投与の非劣性を証明することはできなかったものの、CapeOXレジメンおよび低リスク患者においては、期間短縮は神経毒性を軽減しうる重要なオプションである。