乳房インプラント埋入女性での未分化大細胞型リンパ腫
Breast Implants and the Risk of Anaplastic Large-Cell Lymphoma in the Breast
背景
乳房インプラントを用いた乳房再建術や豊胸術を受けた女性に、稀ながら未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)がみられることが報告されている。オランダMaastricht University Medical Centreのde Boerらは、オランダ全国病理レジストリから胸部の原発性非ホジキンリンパ腫患者のデータを特定、乳房インプラントと胸部ALCLの関連、絶対リスクを算定した。
結論
特定された43名の胸部ALCLのうち、32名が同側に乳房インプラントを施術されていた(その他の胸部リンパ腫では143名中1名のみ、オッズ比431.8)。インプラントのタイプが確認されたケースのうち、82%はマクロテクスチャのものであった。インプラント埋入女性の胸部ALCL累積リスクは、50歳までで100万人あたり29件、70歳までで82件であった。
評価
胸部ALCLの大部分はインプラント関連であった。絶対リスクは極めて小さく、局所治療のみで軽快するものとされるが(http://www.jsprs.or.jp/member/committee/module/19/pdf/breast_implant_rinpashu_info.pdf)、事前の説明と自己検査指示は不可欠である。


