アロマターゼ阻害剤による関節痛にデュロキセチン:SWOG S1202試験
Randomized, Multicenter, Placebo-Controlled Clinical Trial of Duloxetine Versus Placebo for Aromatase Inhibitor-Associated Arthralgias in Early-Stage Breast Cancer: SWOG S1202

カテゴリー
がん
ジャーナル名
Journal of Clinical Oncology
年月
February 2018
36
開始ページ
326

背景

早期乳がんでのアロマターゼ阻害剤(AI)療法は、しばしば関節痛を引き起こす。University of MichiganのHenryらは、閉経後の早期乳がんでAI療法開始後に関節痛の発症・悪化をみた患者を対象に、デュロキセチンまたはプラセボを投与する第III相ランダム化試験を実施した(n=299)。

結論

12週までの平均関節痛スコアは、デュロキセチン群で0.82ポイント低かった。最悪の関節痛、関節硬直、疼痛による影響、機能の各エンドポイントについても同様であった。有害事象はデュロキセチン群で多かったものの(78% vs. 50%)、グレード3の有害事象は同等であった。

評価

関節痛・筋肉痛はAI療法の中断にも繋がる重要な副作用であるが、デュロキセチンは大規模RCTで効果を確認した初の薬剤となった。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)