アロマターゼ阻害剤による関節痛にデュロキセチン:SWOG S1202試験
Randomized, Multicenter, Placebo-Controlled Clinical Trial of Duloxetine Versus Placebo for Aromatase Inhibitor-Associated Arthralgias in Early-Stage Breast Cancer: SWOG S1202
背景
早期乳がんでのアロマターゼ阻害剤(AI)療法は、しばしば関節痛を引き起こす。University of MichiganのHenryらは、閉経後の早期乳がんでAI療法開始後に関節痛の発症・悪化をみた患者を対象に、デュロキセチンまたはプラセボを投与する第III相ランダム化試験を実施した(n=299)。
結論
12週までの平均関節痛スコアは、デュロキセチン群で0.82ポイント低かった。最悪の関節痛、関節硬直、疼痛による影響、機能の各エンドポイントについても同様であった。有害事象はデュロキセチン群で多かったものの(78% vs. 50%)、グレード3の有害事象は同等であった。
評価
関節痛・筋肉痛はAI療法の中断にも繋がる重要な副作用であるが、デュロキセチンは大規模RCTで効果を確認した初の薬剤となった。