腹膜中皮腫の一部にはALK再構成がみられる
Identification of ALK Rearrangements in Malignant Peritoneal Mesothelioma
背景
悪性腹膜中皮腫の発症に関わる因子としては、アスベスト・放射線への曝露や遺伝的因子が知られている。Brigham and Women's HospitalのHungらは、腹膜中皮腫と胸膜中皮腫の連続患者の腫瘍サンプルにおいてALK再構成を検討した。
結論
免疫組織化学検査では、腹膜中皮腫の13%でALK陽性であった。このうち強い発現が見られた3名(/88名)ではFISH法によりALK再構成が確認され、融合パートナーとしてATG16L1・STRN・TPM1が同定された。ALK再構成を有する患者は全員が女性で、非ALK再構成患者よりも若かった(36歳 vs. 62歳)。
評価
アスベストが検出されず、放射線治療歴もない若年腹膜中皮腫患者において、ALK再構成の存在が明らかとなった。ALK標的療法が利益をもたらすかも含め、さらなる研究をトリガーする新知見である。


