意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)の進行リスクは一般の6倍
Long-Term Follow-up of Monoclonal Gammopathy of Undetermined Significance
背景
意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)は、年に1%ほどが多発性骨髄腫や関連疾患へと進行することが知られる。Mayo ClinicのKyleらは、同施設で1960〜1994年にMGUSと診断された患者(n=1,384)の長期フォローアップ結果を発表した。一次エンドポイントは、多発性骨髄腫またはその他の形質細胞性腫瘍・リンパ性疾患への進行である。
結論
追跡期間中央値34.1年(14,130人年)で、患者の11%が進行し、これは対照集団の6.5倍であった。進行リスクは、10年で10%、20年18%・30年28%・35年36%であった。血清FLC比異常・血清M蛋白高値のリスク因子を有する場合、IgM-MGUS患者では20年の進行リスクが55%であり、非IgM-MGUS患者では20年で30%であった。MGUS患者では、対照集団よりも生存期間が短かった(8.1年 vs. 12.4年)。
評価
この疾患についての研究をリードするMayoコホートからの最新の報告である。MGUSのサブタイプIgM型・非IgM型で大きく進行リスクが異なることを確認した。MGUSスクリーニングの意義を検討する臨床試験がアイスランドで行われている。