個別的なリスク計算でCT肺がん検診をより効率的に
Risk-Targeted Lung Cancer Screening: A Cost-Effectiveness Analysis
背景
National Lung Screening Trialは、重喫煙者での低線量CTによる肺がん検診が肺がん死亡を減少させることを示したが、対象選択には課題もある。Tufts Medical CenterのKumarらは、多状態予測モデルを用いた費用対効果分析により、NLSTの患者選択基準とより個別的なリスク計算に基づく選択基準を比較した。
結論
肺がん死亡リスクの高い参加者は、より高齢で疾患・検診関連費用が多かった。最初の7年間における肺がん死亡予防数は、最高十分位で9.5件(1万人年あたり)、最低十分位で1.2であった(最高十分位/最低十分位比7.9)。一方、リスク群間のベネフィットの勾配は、生存年数(十分位比3.6)・QALY(2.4)では控え目であった。ICERは、最高十分位で$53,000、最低十分位で$75,000と類似していた。
評価
NLST基準はUSPSTFによって採用されているが、この基準に合致する喫煙者人口は減少しつつある(http://doi.org/10.7326/M17-2067)。リスクベースのより個別的な検診基準は、CT肺がん検診をより効率的なものとすることができる。


