HPV検査・細胞診ともに陰性の女性では5年間検診不要か
Effect of Several Negative Rounds of Human Papillomavirus and Cytology Co-testing on Safety Against Cervical Cancer: An Observational Cohort Study

カテゴリー
がん
ジャーナル名
Annals of Internal Medicine
年月
January 2018
168
開始ページ
20

背景

細胞診やHPV検査で陰性であった女性では子宮頸がんリスクが低下すると考えられるが、検診間隔を延長することは妥当だろうか。Albert Einstein College of MedicineのCastleらは、細胞診・HPV検査併用検診を受けた女性のコホートで、子宮頸部上皮内腫瘍3(CIN3)・上皮内腺がん・子宮頸がんの累積発症率を調査した(n=990,013)。

結論

細胞診・HPV検査ともに陰性であった女性の5年間CIN3+リスクは、1回の陰性結果後で0.098%、2回連続の陰性結果後に0.098%、3回連続では0.035%であった。細胞診を考慮しない場合、HPV検査陰性後の5年CIN+リスクは各0.114%・0.061%・0.041%であった。HPV検査を考慮しない場合、細胞診陰性後の3年CIN+リスクは、各0.199%・0.065%・0.043%であった。複数回の併用検診陰性後には中間期がんは見られなかった。

評価

子宮頸がん検診の間隔延長についてはコンセンサスがないが、併用検診またはHPV検査で陰性の女性では、5年CIN+リスクは十分低いと考えられる。一例としてオランダではHPV陰性女性での検診間隔を10年に延長しているほか(https://doi.org/10.1136/bmj.i4924)、HPVワクチン接種者では検診開始年齢を遅らせる(https://doi.org/10.1093/jnci/djw216)、HPVなら5年ごと・Papなら3年ごと(https://doi.org/10.1093/jnci/djx256)等が提唱されている。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)