鬱合併高血圧・DM患者にスマホ利用行動変容介入
Effect of a Digital Intervention on Depressive Symptoms in Patients With Comorbid Hypertension or Diabetes in Brazil and Peru
Two Randomized Clinical Trials
背景
スマートフォンを使用したデジタル行動変容介入は高血圧・糖尿病患者の鬱症状改善に有効か。英King’s College LondonのArayaらは、ペルー・リマ市7施設(n=432)、ブラジル・サンパウロ市20施設(n=880)でこれを検証するクラスターRCTを行った。患者には、看護師のサポートとスマートフォンを介して行動活性化原理に基づく6週間18回の低強度介入を行った(対照群は標準ケア)。主要アウトカムは、ベースラインから3ヵ月でのPHQ-9スコアの最低50%低下である。
結論
3ヵ月フォローアップでのスマートフォン介入の主要アウトカム有効性を認めた(サンパウロ市でaOR, 1.6、リマ市でaOR, 2.1)。しかし、6ヵ月では群間有意差は消滅した。
評価
流行のアプローチで、JAMAは強迫性障害の若者への有効性を示唆するカロリンスカ研究を併載している(https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2779829)。スマホが行動変容の有力ツールとなりえるのは間違いないが、両論文とも直接対面治療を代替しうるものとはみていない。