POMC・LEPR遺伝子欠損性重度肥満にMC4R径路アゴニストsetmelanotide登場
Efficacy and safety of setmelanotide, an MC4R agonist, in individuals with severe obesity due to LEPR or POMC deficiency: single-arm, open-label, multicentre, phase 3 trials
背景
Proopiomelanocortin(POMC)遺伝子欠損またはレプチン受容体(LEPR)欠損は、重度肥満をきたしうる。ドイツCharite Universitatsmedizin BerlinのKuhnenらは、6歳以上のPOMC遺伝子欠損肥満(POMC)患者10名とLEPR欠損肥満(LEPR)患者11名を対象として、メラノコルチン4受容体(MC4R)径路アゴニストsetmelanotide投与の有効性と安全性を検証する第3相多施設単群試験を行なった。一次アウトカムは、1年後でベースラインから最低10%の減量があった患者の割合である。
結論
POMC患者8名、LEPR患者5名で1年10%の減量を達成した。空腹感スコアの平均変化率はPOMC患者で−27.1%、LEPR患者で−43.7%だった。治療関連重大有害事象の報告は両グループともなかった。
評価
希少疾患に対する初めての治療薬であるばかりでなく、初めてのMC4R径路作動薬でもある。FDA承認は確実とみられ、非遺伝性肥満患者への試用も視野に入る。