運動への血圧反応は心血管予後を予測する
Association of Blood Pressure Responses to Submaximal Exercise in Midlife With the Incidence of Cardiovascular Outcomes and All-Cause Mortality: The Framingham Heart Study
背景
中年期での運動時の血圧(BP)変化や回復時間は高齢期の心血管アウトカムや死亡リスクと関連するか。Boston UniversityのXanthakisらは、Framingham Offspring Study(FOS)登録者1,993名を対象として、最大下運動時のBP反応が検査時点での無症候性心血管疾患(CVD)の保有、および高齢期(12年後フォローアップ)での高血圧・CVD・死亡発生と関連するかを検討するコホート研究を行なった。
結論
運動下BPの1SD増加は、左室心筋重量・頸動脈内膜中膜肥厚の増加と関連し、BPの早期回復は左室心筋重量 ・頸動脈内膜中膜肥厚の低下と関連した。また運動下BPの1SD増加は、高血圧(SBPのHR:1.40等)・CVD発生と関連した。BP回復の1SD増の多変量調整HRは、高血圧0.46(SBP回復)・0.55(DBP回復)、CVD 0.80(SBP回復)、全原因死亡0.76(SBP回復)だった。
評価
FOS継続研究の一部として行われた検討で、通常リスクファクターの交絡をすべて調整したという高信頼度結果である。著者らは、規模は十分だが対象は白人に偏る、としている。