思春期肥満と中年期がんの関連をビッグデータで確認
Adolescent obesity and midlife cancer risk: a population-based cohort study of 2.3 million adolescents in Israel
背景
がんの「原因」としての肥満の重要性は、タバコを置き換えつつある。イスラエルIsrael Defense Forces Medical CorpsのFurerらは、同国2,458,170名(1967〜2010年)の検査データに基づき、17歳時点でのBMIと中年期におけるがん発症・がん死亡との間の関係を検討した。
結論
BMIパーセンタイル増と癌発症リスクの関連を男性でのみ認めた(aHR:1.26[男性])。女性では関連は有意でなく、子宮頸がんと乳がんは逆相関した。ただし、両がんを除くと女性のaHRは1.27となった。男女ともに高BMI(85パーセンタイル以上)の場合には10年後のがん発症リスクが高まった。BMIは癌死亡リスクと正に相関し、人口寄与危険度は男性で5.1% 、女性で5.7% であった。
評価
すでに十分なエビデンスが積みあがっており、統一的に近い見解も発表されている問題だが(https://www.wcrf.org/sites/default/files/Body-fatness-and-weight-gain_0.pdf)、イスラエルからの兵役検査結果に基づく斉一的なビッグデータ解析で、重みがある。