BMIと全原因死亡の関連に決定的ビッグデータ分析
Association of BMI with overall and cause-specific mortality: a population-based cohort study of 3.6 million adults in the UK

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
The Lancet Diabetes & Endocrinology
年月
December 2018
12
開始ページ
944

背景

BMIと死亡リスクの関連に関し、最大・再包括的とみられる研究が発表された。英London School of Hygiene & Tropical MedicineのBhaskaranらによるもので、同国プライマリケア3,632,674名(非喫煙者)の統合データ(CPRD)を解析した。

結論

BMIと全原因死亡との関連はJ型であった。BMI 5 kg/m2増毎の推測ハザード比は、25 kg/m2以下で0.81、それ以上では1.21であった。BMIは、交通関連事故以外の全死因カテゴリと関連しており、関連型は多様だった。がん・心血管疾患・呼吸器疾患との関連はJ型で、21〜25 kg/m2で最低リスクであった。精神−行動−神経的および非交通事故では、BMIは死亡と24〜27 kg/m2まで逆関連しており、より高いBMIでは関連は低かった。自傷行為または対人関係暴力による死亡では、関連は逆リニアであった。40歳以後の平均余命は、BMI 18.5〜24.9 kg/m2と比べBMI ≧30.0 kg/m2男性で4.2年、女性で3.5年短く、BMI <18.5 kg/m2男性では4.3年、女性で4.5年短かった。分析に喫煙者を含めても関連は同様だったが、低いBMIでは喫煙とのわずかな交絡が示唆された。

評価

この問題に関する最終的ともいえる決定的分析であり、問題は「イギリス人の場合は」という制約だけであろう。「肥満のパラドックス」もほぼ完全に却下した。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)