GLP-1RAのMACE効果に決定的メタ解析
Cardiovascular, mortality, and kidney outcomes with GLP-1 receptor agonists in patients with type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis of cardiovascular outcome trials
背景
GLP-1受容体アゴニスト(GLP-1 RA)の心血管有益性検証は、メタアナリシス可能な段階に達している。イギリスUniversity of GlasgowのKristensenらは、27 RCTの系統レビュー、7試験のメタアナリシス(n=56,004)を行った。
結論
GLP-1RAによるMACE低減効果は12%であった。この効果は特に脳卒中リスクの低減によるものであった(HR:0.84)。全死因死亡・心不全入院・腎有害アウトカムのリスクも低減した(HR: 各0.88・0.91・0.83)。重症低血糖・膵炎・膵癌リスク増はなかった。
評価
三大新規血糖降下薬のMACE効果に関する2018メタアナリシスでは、生命予後でSGLT-2阻害薬・GLP-1 RAがDPP-4阻害薬に優れ、SGLT2阻害薬は心不全・心筋梗塞予防で他薬に優る、としていた(https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2678616)。ここでのGLP-1 RAもSGLT-2阻害薬には劣るかとはみられるもののMACE効果を出しており、心不全懸念は消失したようである。