フィラデルフィアでのソーダタックス導入の経験
Association of a Beverage Tax on Sugar-Sweetened and Artificially Sweetened Beverages With Changes in Beverage Prices and Sales at Chain Retailers in a Large Urban Setting
背景
加糖飲料への課税(ソーダタックス)の導入が世界で進んいるが、フィラデルフィア市は2017年に導入した。University of PennsylvaniaのRobertoらは、同市での税導入後の飲料品価格と販売量を調査して近隣非課税市(メリーランド州ボルティモア市)と比較し、州境を越えた加糖飲料購入の可能性についても分析した(n=291店舗)。一次アウトカムは、課税飲料価格と販売数量の変化である。
結論
フィラデルフィア市では加糖飲料の価格が大幅に上昇した(1オンスあたりスーパーマーケットで0.65セント、量販店で0.87セント、ドラッグストアで1.56セント)。課税飲料の総売上げ量は13億オンス(51%)減少したが、他方、ボルチモア市の売上量は3億820万オンス増加し、フィラデルフィア市での減少を一部相殺した。
評価
アメリカで最初にソーダタックスを導入したのはバークレーだったが、フィラデルフィアでの半減は劇的で、10%という幅と住民の貧困度との関連が考えられる。ソーダタックスの効果は最終的には肥満者の減少で測られるべきで、世界のデータが待たれるが、2014年から全国導入したメキシコでは無効という話もある(https://velvetgloveironfist.blogspot.com/2018/09/mexicos-sugar-tax-flop.html)。


