中年期の食事内容は後年の認知症と関係がない?
Association of Midlife Diet With Subsequent Risk for Dementia

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
March 2019
321
開始ページ
957

背景

食事内容が認知機能と関連するという様々な観察研究があるが、それに疑問を投げかける高インパクト研究が現れた。フランスUniversite MontpellierのAkbaralyらによる長期前向コホート研究で、認知症のない男女8,225名を中央値24.8年間フォローアップしたものである。食事の質評価には11要素からなる食事の質スコア(score range: 0-110)AHEIを用い、一次アウトカムは認知症発症とした。

結論

多変量解析で、AHEIスコアと認知症発症リスクとの間には、短・中・長期いずれのフォローアップ期間でも有意差はなかった。

評価

回答に一定の信頼度がある、とみられる公務員を対象とした長期研究である。衝撃的な結果で、メディアにも多く取り上げられている。専門家のコメントには、統計的パワーや食事内容把握の正確性に疑問を呈して「この研究は認知症予防に食事は重要でないと証明したものではない」という種のものが多いが、食事の効果研究の困難さを再認させるものと言える。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)