中年期の食事内容は後年の認知症と関係がない?
Association of Midlife Diet With Subsequent Risk for Dementia
背景
食事内容が認知機能と関連するという様々な観察研究があるが、それに疑問を投げかける高インパクト研究が現れた。フランスUniversite MontpellierのAkbaralyらによる長期前向コホート研究で、認知症のない男女8,225名を中央値24.8年間フォローアップしたものである。食事の質評価には11要素からなる食事の質スコア(score range: 0-110)AHEIを用い、一次アウトカムは認知症発症とした。
結論
多変量解析で、AHEIスコアと認知症発症リスクとの間には、短・中・長期いずれのフォローアップ期間でも有意差はなかった。
評価
回答に一定の信頼度がある、とみられる公務員を対象とした長期研究である。衝撃的な結果で、メディアにも多く取り上げられている。専門家のコメントには、統計的パワーや食事内容把握の正確性に疑問を呈して「この研究は認知症予防に食事は重要でないと証明したものではない」という種のものが多いが、食事の効果研究の困難さを再認させるものと言える。