高齢者の骨折リスク予測へのHR-pQCT指標の価値を確認
Cortical and trabecular bone microarchitecture as an independent predictor of incident fracture risk in older women and men in the Bone Microarchitecture International Consortium (BoMIC): a prospective study
背景
高齢者の骨折予測に骨HR-pQCT指標はどのような価値をもつか。Harvard Medical SchoolのSamelsonら(BoMICコンソーシャ)は、米・仏・スイス・カナダ・スウェーデンの8コホート(n=7,254)を対象とする前向研究を行った。年齢・性別・身長・体重・コホート調整後のHR-pQCT骨指標と骨折との関連を、大腿骨頸部DXA aBMDまたはFRAXと比較調整して検討した。
結論
平均4.63年のフォローアップで11%が骨折し、その86%で大腿骨頸部Tスコアは−2.5より大きかった。多因子調整後、末梢骨破壊負荷が骨折リスクと最も強く関連した(1 SD減少ごとのHRは、脛骨 HR:2.40、橈骨 HR:2.13)。腿骨頸部aBMDまたはFRAXスコアによる更なる調整後にはこの関連性は減少したが、有意であった。骨折予測に最も有効であったのは、遠位橈骨における皮質骨密度・骨梁数・骨梁厚を含むモデル、およびこれらに脛骨皮質面積を加えたモデルであった。
評価
HR-pQCT諸指標の骨折予測価値に関する最大規模の研究である。大腿骨頸部aBMDまたはFRAXスコアのみより骨折予測能が高いことを示したが、骨折に関する骨の微小構造の重要性は既知のものである。