ピーナッツアレルギーの減感作療法にブレークスルー?
AR101 Oral Immunotherapy for Peanut Allergy
背景
AR101は、ピーナッツ由来タンパク質に基づく新規ピーナッツアレルギー脱感作治療薬である。PALISADE臨床研究グループは、4〜55歳までのピーナッツアレルギー患者551名を対象としてその有効性・安全性を検証する第III相試験を行った(対照:placebo)。一次有効性エンドポイントは、用量制限的症状がなく、600 mg以上のピーナッツタンパクを摂取することができた4〜17歳の患者の割合である。
結論
最終チャレンジテストで、AR101の一次アウトカム有効性を認めた(67.2% vs. 4.0%)。最大重症症状発症患者も介入群が少なかった(25% vs. 59%)。介入期間における有害事象の95%が4歳から17歳の患者で認められ、重症イベントは介入群が多かった(4.3% vs. 0.8%)。
評価
ピーナッツアレルギーに対するチャレンジ療法の現在までで最も信頼度の高い最大の臨床試験とみられる。18歳以下での有効性を確認するデザインで高度の有効性結果を導いたが、成人患者で無効とは限らないとみられる。現在のガイドラインはチャレンジ療法に慎重だが、進行中の他試験結果に基づく使用タンパクや用法の工夫によって標準化される可能性もある。