癌になると糖尿病になりやすい:韓国ビッグデータが示す
Incidence of Diabetes After Cancer Development: A Korean National Cohort Study
背景
糖尿病患者の発癌高リスクが確認されているが、逆は未だ明らかではない。韓国National Cancer CenterのHwangboらは、糖尿病・癌の既往歴のない参加者524,089名(20〜70歳)を対象とするコホート研究を行った。
結論
追跡期間中央値7年で、15,130名が癌に、26,610名が糖尿病に罹患した。多因子調整後、癌罹患者における新規糖尿病発症ハザード比(HR)は1.35であった。癌診断後2年までの発症リスクが高く(aHR:1.47)、その後も増加傾向が続く。糖尿病リスクは、膵癌(HR:5.15)・腎癌(HR:2.06)・肝癌(HR:1.95)で特に高かった。
評価
大方の印象をビッグデータで確認したもので、系統的に類似する日本人での定量的確認も望まれる。DM発症要因としてステロイドや抗腫瘍薬の副作用、「癌悪液質」によるインスリン抵抗性増等が示唆されてきたが、確定が必要である。