地域がはぐくむ糖尿病
Neighbourhood socioeconomic disadvantage, risk factors, and diabetes from childhood to middle age in the Young Finns Study: a cohort study
背景
社会経済的劣位は糖尿病リスクを増すと言われている。フィンランドUniversity of HelsinkiのKivimakiらは、同国Young Finns Studyの参加者3,467名の30年以上の前向追跡データ(8回以上の診察・検査)を参加者居住域の社会経済環境データと関連させた。
結論
フォローアップ開始時(6-18歳)には居住域の社会経済環境によるリスクファクターの差は小さかったが、この差は経年的に拡大した。社会経済的劣環境に住む小児は6歳ごろから野菜・果実の摂取が減り、12歳ごろから身体活動量が減り、喫煙が増える。27歳ごろからインスリン感受性が低下し、空腹時血糖値・インスリン値が上昇する。また、恒常的な社会経済的劣位地域での居住は、肥満(OR 1.44)・高血圧(1.83)・脂肪肝(1.73)・糖尿病(3.71)と関連した。
評価
同研究は、世界で4つだけとみられる長期・大規模な若年者の心代謝疾患コホート研究である。長期の詳細調査が、半ば常識化している見方に具体的な地域的描像をもたらした。