肥満者の脳には異常はあるのか:剖検研究
A Postmortem Study of Frontal and Temporal Gyri Thickness and Cell Number in Human Obesity

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
Obesity
年月
January 2018
26
開始ページ
94

背景

過体重者・肥満者の脳には異常所見が見れるとした報告があるが、確認されていない。メキシコNational Autonomous University of MexicoのSilva-Pereyraらは、8名の過体重・肥満ドナーと8名の対照者の剖検脳で皮質厚・神経細胞密度を比較した。

結論

過体重・肥満者と対照者との間に皮質厚の有意な差は認められなかった。過体重・肥満者では、前頭葉・側頭葉の異なる領域における神経細胞数が少なかった。

評価

生患者の機能的イメージング研究で線条体の報酬系に異常を報告するものが多く、剖検脳での解剖学的基礎付けが要求されているが、NIHの2014報告は「更なる研究が必要」としていた(http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/oby.20897/full)。それに応えて行われた検討だが、またもや結論には至っていない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)