肥満者の脳には異常はあるのか:剖検研究
A Postmortem Study of Frontal and Temporal Gyri Thickness and Cell Number in Human Obesity
背景
過体重者・肥満者の脳には異常所見が見れるとした報告があるが、確認されていない。メキシコNational Autonomous University of MexicoのSilva-Pereyraらは、8名の過体重・肥満ドナーと8名の対照者の剖検脳で皮質厚・神経細胞密度を比較した。
結論
過体重・肥満者と対照者との間に皮質厚の有意な差は認められなかった。過体重・肥満者では、前頭葉・側頭葉の異なる領域における神経細胞数が少なかった。
評価
生患者の機能的イメージング研究で線条体の報酬系に異常を報告するものが多く、剖検脳での解剖学的基礎付けが要求されているが、NIHの2014報告は「更なる研究が必要」としていた(http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/oby.20897/full)。それに応えて行われた検討だが、またもや結論には至っていない。