小児期発症T1D女性は妊娠中絶・不妊手術のリスクが約70%高い
Termination of pregnancy and sterilisation in women with childhood-onset type 1 diabetes
背景
1型糖尿病(T1D)女性に対する妊娠アドバイスは困難であり、特に妊娠中絶・不妊手術リスクに関する正確なデータが必要である。フィンランドUniversity of HelsinkiのSjobergらは、同国小児期発症T1D女性2,281名を対象とするレジストリベースのケースコントロール研究を行い、25年間の妊娠中絶・不妊手術の頻度を比較して標準化罹患比(SIR)を算定した。
結論
小児期発症T1D女性では、妊娠中絶・不妊手術が多かった(SIR各 1.67・1.69)。しかし、近年では不妊手術は減少しており、対照群との差はなくなっている。妊娠中絶・不妊手術に至る理由には大きな差があった。母体リスクによるものは対照群ではほぼ無いに等しいが、DM女性では妊娠中絶の23.6%、不妊手術の22.9%を占めた。
評価
非DM女性と比較して小児期発症T1D患者では死産が多い、という同グループによる報告(https://doi.org/10.1007/s00125-012-2731-x)に続く研究である。現在における妊娠の積極化トレンドの将来の帰結は重要な問題である。