LVOでの機械的血栓回収療法でtPAは省略されうるか:系統的レビュー・メタ解析
Utility of Intravenous Alteplase Prior to Endovascular Stroke Treatment: A Systematic Review and Meta-analysis of RCTs

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Neurology
年月
August 2021
97
開始ページ
e777

背景

主幹動脈閉塞に対する血管内治療で血栓溶解療法によるブリッジングを行うべきか否かを検証するランダム化比較試験、SKIP試験・DEVT試験・DIRECT-MT試験の結果が相次いで公表された。カナダMcMaster UniversityのKatsanosらは、これらのランダム化比較試験のエビデンスを批判的に検証するシステマティックレビュー・メタアナリシスを実施した。

結論

1,092名の患者を含む3件の研究が対象となった。直接血管内治療とブリッジング血栓溶解療法で、3ヵ月mRSが0-2の患者の割合(調整オッズ比1.11)、mRSが0-1の割合(1.16)、3ヵ月時点での機能的改善(調整共通オッズ比1.09)、いずれについても差はなかった。直接血管内治療を受けた患者は、血管内治療前の再開通率が有意に低かった(オッズ比0.37)。脳内出血率も直接血管内治療患者で低かったが(0.67)、症候性脳内出血率に有意な差はなかった。全原因死亡・重篤有害事象・処置時合併症にも差はなかった。

評価

この3試験に続いて結果が示されたアジア外でのRCT、MR CLEAN-NO IV試験・SWIFT DIRECT試験は、直接血管内治療の非劣性を示すことに失敗している。こうしたエビデンスの曖昧さは、ブリッジングが有効なサブグループが存在する可能性を示唆しており、今後の検証課題となるだろう。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)