蘇生チームのリーダーシップ分担で認知負荷を軽減しタスク効率も改善
Cardiac Arrest Nurse Leadership (CANLEAD) trial: a simulation-based randomised controlled trial implementation of a new cardiac arrest role to facilitate cognitive offload for medical team leaders
背景
蘇生チーム・コードブルーチームのリーダーは高い認知負荷に晒され、チームのパフォーマンスにも影響を与えうる。オーストラリアJohn Hunter HospitalのPallasらは、2ヵ所の救急外来の心停止チームを、従来の役割分担で行う対照群、看護チームリーダーを置く介入群でのin situシミュレーション(120名、20回、クロスオーバーなし)に割り付け、認知負荷やタスク効率を比較するランダム化比較試験を実施した。
結論
医療チームリーダーのNASA Task Load Indexは、介入群で有意に低かった(238.4 vs. 306.3)。介入群の医療チームリーダーは、看護師リーダーと並行して作業を行うことで認知負荷が有意に低下した(206.4 vs. 270.5)。看護師リーダーを持つチームでは、除細動器装着までの時間、無効な胸骨圧迫の修正までの時間が短縮し、胸骨圧迫比率が改善、対処可能な要因への対応までの時間も短縮した。
評価
蘇生チームのリーダーは医師が務めることが多かったが、近年、看護師リーダーの役割に関する研究が多く現れている。認知負荷にフォーカスしたこのシミュレーション研究では、看護師リーダーとの協同により医師リーダーの認知負荷が軽減され、チーム全体のパフォーマンスも向上することが明らかにされた。