COVID-19への治療用量ヘパリンは非ICU患者で有効か:HEP-COVID試験
Efficacy and Safety of Therapeutic-Dose Heparin vs Standard Prophylactic or Intermediate-Dose Heparins for Thromboprophylaxis in High-risk Hospitalized Patients With COVID-19: The HEP-COVID Randomized Clinical Trial
背景
COVID-19患者では血栓塞栓症のリスクがあり予防的抗凝固療法が推奨されているが、最適用量は。Feinstein Institutes for Medical ResearchのSpyropoulosらは、D-ダイマー値または凝固障害スコアが高いCOVID-19入院患者を対象に、通常の予防用量・中間用量の低分子ヘパリン/未分画ヘパリンまたは治療用量のエノキサパリンを割り付け、静脈/動脈血栓塞栓症(VTE/ATE)・死亡を比較する多施設ランダム化比較試験HEP-COVIDを実施した(n=257)。
結論
32.8%がICUケアを必要とした。一次アウトカム(VTE・ATE・死亡)率は、通常用量群で41.9%、治療用量群で28.7%であった(相対リスク0.68)。血栓塞栓症のリスクはそれぞれ29.0%、10.9%であった(0.37)。大出血発生率は通常用量群1.6%、治療用量群4.7%であった。一次アウトカムの減少は非ICU患者でのみ認められた(36.1% vs. 16.7%; 相対リスク0.46)。
評価
治療用量ヘパリンは、非ICU患者に限り血栓・死亡を抑制した。REMAP-CAP・ACTIV-4a・ATTACC試験では、中等症までの患者で利益が認められた一方で重症患者では無効中止となっており、本試験と一致する結果である(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2103417, https://doi.org/10.1056/NEJMoa2105911)。


