中等症・重症TBIの1年アウトカム、短期には不良でも長期的に回復する患者も
Functional Outcomes Over the First Year After Moderate to Severe Traumatic Brain Injury in the Prospective, Longitudinal TRACK-TBI Study
背景
外傷性脳損傷(TBI)患者における急性期の障害は、その後の長期予後をどの程度予測するのか。Medical College of WisconsinのMcCreaらは、Transforming Research and Clinical Knowledge in TBI研究の一環として、レベル1外傷センター18施設のTBI患者のコホート調査を行い、中等症・重症TBI患者(GCSが3-12)における2週間、3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月後の機能的予後(Glasgow Outcome Scale-ExtendedのDRS)を分析した(n=484)。
結論
受傷2週間後で、重症TBI患者の12.4%、中等症患者の41%が良好アウトカム(GOSEスコアが4-8)であり、それぞれ93.5%、78.6%がDRSで中等度以上の障害を有した。受傷後12ヵ月までに、重症TBI患者の52.4%、中等症患者の75%が良好アウトカムを達成し、それぞれ19.3%、32%が障害なし(DRSが0)と報告された。2週時点で植物状態であった患者の78%が意識を回復し、データが得られた56名のうち14名(25%)が見当識を回復した。
評価
中等症・重症TBIでは、多くの患者が死亡したり重い障害に苦しむ一方で、2週時点で非常に不良な状態にあった患者でも、少なくない数が回復する可能性を持つことが判明した。拙速な予後判断を行わないよう求める最近のガイドラインを裏付け、リハビリ・支援体制の重要性を改めて強調するエビデンスである。


