重症COVID-19からの回復者、3ヵ月後の呼吸機能は
Pulmonary Function and Radiologic Features in Survivors of Critical COVID-19: A 3-Month Prospective Cohort
背景
新型コロナウイルス感染症COVID-19では、快復後にも多様な後遺症が見られることが明らかになりつつあるが、最重症例である急性呼吸窮迫症候群(ARDS)発症者での長期的影響は?スペインHospital Universitari Arnau de Vilanova and Santa MariaのGonzalezらは、2020年の3月から6月にCOVID-19二次性ARDSによりICUに入室した患者を登録し(n=125)、退院後3ヵ月時点でのフォローアップにより長期的な呼吸器後遺症を評価した。
結論
3ヵ月目のフォローアップ時に、62名で肺機能の評価が可能であった。一般的な症状として、46.7%が呼吸困難を、34.4%が咳を有した。82%の患者は肺拡散能が80%未満であった。6分間歩行試験の距離(中央値)は400mであった。CTスキャンでは70.2%に異常所見があり、49.1%で網状reticular病変、21.1%が線維化所見であった。胸部CT像で重度の変成が認められた患者、肺機能の低下が大きく、6MWTで大きな酸素飽和度低下を呈した。CT像での肺損傷重症度と関連する因子は、年齢、ICU入室中の侵襲的換気期間であった。
評価
COVID-19によるARDS患者の多くで、回復後にも肺の構造的異常と肺機能の低下が認められた。ARDS患者での過去の研究は、こうした障害が時間とともに回復することを示唆しているが(https://doi.org/10.1056/NEJMoa1011802)、COVID-19後患者でも同様の経過をたどるのか継続的な研究が必要とされる。


