重症インフルエンザでの侵襲的肺アスペルギルス症は予防できるか:POSA-FLU試験
Posaconazole for prevention of invasive pulmonary aspergillosis in critically ill influenza patients (POSA-FLU): a randomised, open-label, proof-of-concept trial
背景
インフルエンザ重症例では、侵襲的肺アスペルギルス症がしばしば合併することが報告されているが、抗真菌薬により予防することはできるか。ベルギーKU LeuvenのVanderbekeらは、インフルエンザによる呼吸不全でICU入室に至った患者を対象に、7日間のポサコナゾール静注または標準治療のみを割り付けるランダム化比較・概念実証試験POSA-FLUを実施した(n=88)。
結論
インフルエンザ関連の肺アスペルギルス症は21名(24%)で発生し、多くは入室後48時間以内の診断であったため、修正ITT集団から除外された。修正ITT集団における発症率はポサコナゾール群5.4%、標準治療群11.1%であり、有意な低下は認められなかった。また、早期肺アスペルギルス症のICU死亡率は、53%と高かった。
評価
予想よりも多くの患者が、ICU入室時(または入室後早期)に肺アスペルギルス症を発症しており、ポサコナゾールによる後期発症の予防効果を示すには至らなかった。早期発症患者の死亡率は極めて高く、オルタナティブ戦略が必要とされる。


