心肺蘇生法のオルタナティブ、「咳」心肺蘇生・パーカッションペーシング・前胸部叩打をレビュー
The effect of alternative methods of cardiopulmonary resuscitation--Cough CPR, percussion pacing or precordial thump--on outcomes following cardiac arrest. A systematic review
背景
心停止患者におけるゴールドスタンダードは胸骨圧迫や人工呼吸による心肺蘇生法(CPR)であるが、実施されることがほとんどないオルタナティブ手法もある。University of WarwickのDeeらは、胸骨下部を強打する前胸部叩打法precordial thump、左胸骨に繰り返し衝撃を加えるパーカッションペーシングpercussion pacing、不整脈発症時に自発的に咳をすることで血流を維持するとされる「咳」心肺蘇生法cough CPRに関するエビデンスを評価すべく、システマティックレビューを実施した。
結論
前胸部叩打法に関して16件、パーカッションペーシングに関して4件、咳CPRに関して4件の研究が含まれた。前胸部叩打法を評価した2件の研究では、標準的CPRが対照として設けられていた。すべての手法について、エビデンスレベルは非常に低かった。院外心停止において、前胸部叩打法は生存退院率を改善しないことが示唆された。また、パーカッションペーシングないし咳CPRが、心停止後の臨床アウトカムを改善するというエビデンスは得られなかった。
評価
これらの手法のうち、前胸部叩打法はドラマなどで描かれることがあり、蘇生ガイドラインではモニター下のVTに対してこれを実施してもよいとしている。咳CPRは、チェーンメールやSNSで都市伝説的に流布されてきた手法でもある。本レビューによれば、いずれの手法についても臨床アウトカムの改善につながるとするエビデンスは存在せず、限られた状況以外では標準的CPRが行われるべきであろう。


