心停止後患者での低体温療法、ふたたび否定される:TTM2試験
Hypothermia versus Normothermia after Out-of-Hospital Cardiac Arrest
背景
心停止後昏睡患者での目標体温に関しては、2013年のTTM試験において33°Cの低体温療法と36°Cの正常体温療法で差がないことを明らかにし、以降、低体温療法の利用は減少した。スウェーデンLund UniversityのDankiewiczらは、心原性または原因不明な成人院外心停止後昏睡患者に対し、33°Cを目標とする(28時間以降に復温)低体温療法と発熱(37.8°C以上)に早期治療を行う正常体温療法を割り付けるランダム化比較試験TTM2を実施した(n=1,850)。
結論
6ヵ月後までに低体温療法群の患者の50%、正常体温療法群では48%が死亡した(相対リスク1.04)。機能的アウトカムについて評価された患者(n=1,747)のうち、中等度障害以上の患者(修正ランキンスケールが4以上)の割合は、それぞれ55%、55%であった(1.00)。血行動態不良を伴う不整脈が低体温療法群で多く見られたが(24% vs. 17%)、その他の有害事象に群間差はなかった。
評価
TTM試験(https://doi.org/10.1056/NEJMoa1310519)の2倍の患者を登録し検証したが、やはり低体温療法の利益は認められなかった。規模の点でも、結果の明確さの点でも決定的エビデンスと言ってよく、発熱のコントロールが適切に行えるならば低体温を目指す必要はないと考えられよう。