軽症頭部外傷後の患者では軽度の運動が許容される:ランダム化比較試験
A randomized trial comparing prescribed light exercise to standard management for emergency department patients with acute mild traumatic brain injury

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Academic Emergency Medicine
年月
May 2021
巻
28
開始ページ
493

背景

伝統的に、軽度外傷性脳損傷(mTBI)患者では症状が治るまで安静を維持することが推奨されてきたが、近年の研究はこうした安静第一の教義を疑問に付している。カナダSinai HealthのVarnerらは、48時間以内にmTBI受傷した救急外来の連続患者に対し、1日30分の軽い運動(介入群)または症状が治まったあと、徐々に運動を再開する指導(対照群)を行い、30日時点での脳震盪後症候群(Rivermead Post-concussion Symptoms Questionnaireで3つ以上の症状)を評価するランダム化比較試験を実施した(n=367)。

結論

患者の年齢は中央値32歳、57.6%が女性であった。30日PCS率は介入群14.6%、対照群13.4%で有意差はなかった。RPQスコア変化の中央値、再受診回数、欠席・欠勤日数、予定しない救急再受診にも差はなかった。

評価

近年のデータは、mTBI後の運動が脳の回復にポジティブな影響を与えることを示唆しており、2016年の脳震盪に関するベルリン声明も、受傷後24〜48時間の身体的・認知的休息の後は絶対の安静を必要としないとしている(http://doi.org/10.1136/bjsports-2017-097699)。本RCTでは介入群と対照群のPCSに差はなく、脳震盪後症状を誘発しない程度の運動は許容されべきと考えられる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス)

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)