市中肺炎小児への抗菌薬療法を5日間に短縮する:SAFER試験
Short-Course Antimicrobial Therapy for Pediatric Community-Acquired Pneumonia: The SAFER Randomized Clinical Trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
JAMA Pediatrics
年月
March 2021
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開始ページ
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背景

肺炎などを治療するための抗菌薬療法では、従来標準とされた期間より短期間でも安全であるというエビデンスが増えている。カナダPediatric Emergency Research CanadaのPernicaらは、2施設の救急部門を受診し、入院を要しない市中肺炎と診断された小児(6ヵ月~10歳)患者を対象に、5日間の高用量アモキシシリンが10日間コースに非劣性であるかを確認するランダム化非劣性試験SAFERを行った(n=281)。

結論

患者の年齢中央値は2.6歳であった。Per-protocol解析における臨床治癒率は5日間群88.6%、10日間群90.8%、ITT解析における臨床治癒率はそれぞれ85.7%、84.1%であった。

評価

近年の研究は、市中肺炎における抗菌薬療法の至適期間が、従来考えられてきたよりも短い可能性を示唆している。この試験も、大半の子どもでは10日間のコースは不要であることを明らかにした。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)