一過性脳虚血発作後の脳卒中リスクは:Framingham Heart Studyから
Incidence of Transient Ischemic Attack and Association With Long-term Risk of Stroke

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
January 2021
325
開始ページ
373

背景

一過性脳虚血発作(TIA)後には脳卒中リスクが上昇すると考えられるが、このリスク上昇はどの程度で、どれくらいの期間続くのか。Harvard Medical SchoolのLioutasらは、1948年から追跡調査が行われているFramingham Heart Studyにおいて、TIA・脳卒中歴のない参加者(n=14,059)の後向コホートにおけるTIA後の脳卒中リスクを評価した。

結論

66年のフォローアップ期間中に435名がTIAを経験し(発症率1.19/1000人年)、TIAのなかった2,175名とマッチングされた。TIA後のフォローアップ期間中央値8.86年の間に、29.5%が脳卒中を発症した。このうち21.5%が7日以内、39.2%が90日以内の発症であったが、1年以上経ってからの発症も48.5%に上った。10年累積脳卒中発症率はTIA後患者で0.46、非TIA患者では0.09であった(ハザード比4.37)。TIA後90日以内の脳卒中発生率は、1948-1985年の16.7%から2000-2017年には5.9%へと低下した。

評価

地域ベースで半世紀にわたる追跡を行った希有なコホート研究からTIA後の脳卒中リスクは長期に及ぶこと、脳卒中発症は大半が3ヵ月以上経過した後であることを明らかにした。ただ経時的にはリスクは低下傾向にあり、二次予防戦略が効果を上げていると考えられた。

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取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)