急性心不全高齢患者への救急ケアバンドルは転帰改善せず:ELISABETH試験
Effect of an Emergency Department Care Bundle on 30-Day Hospital Discharge and Survival Among Elderly Patients With Acute Heart Failure: The ELISABETH Randomized Clinical Trial
背景
急性心不全は高齢者の救急受診で大きな割合を占めており、死亡・再入院リスクも高い。フランスSorbonne UniversiteのFreundらは、同国15施設の救急部において対照群から介入群へと段階的に移行するステップウェッジデザインによるクラスターランダム化比較試験ELISABETHを実施し、75歳以上の急性心不全患者(n=503)における通常ケアとバンドルケア(初期の硝酸塩静脈投与、急性冠症候群・感染症・AFなどの増悪因子管理、利尿薬の中等量投与)を比較した。
結論
介入群では、4時間以内の硝酸塩投与量が多く(27.0 mg vs. 4.0 mg)、増悪因子の治療を受ける割合が高かった(58.8% vs. 31.9%)。30日院外生存日数は両群とも中央値19日と差はなく、二次アウトカムの30日死亡率(8.0% vs. 9.7%)、心血管死亡率(5.0% vs. 7.4%)、予定外入院(14.3% vs. 15.7%)、入院日数(8日 vs. 8日)、腎障害(1% vs. 1%)にも差はなかった。
評価
複数のガイドライン推奨をまとめたバンドルの導入は、推奨治療の実施率を高めたものの、患者アウトカムの改善は示されなかった。これら推奨治療のエビデンスは堅固でなく、より効果的な介入が探索される必要がある。


