院内・ICU内感染による敗血症の世界的実態:系統的レビュー・メタ解析
Epidemiology and burden of sepsis acquired in hospitals and intensive care units: a systematic review and meta-analysis

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Intensive Care Medicine
年月
August 2020
46
開始ページ
1536

背景

敗血症は世界の疾病負荷の大きな部分を占めるが、このうち院内感染・ICU内感染の負荷はどれくらいか。ドイツRobert Koch InstituteのMarkwartらは、システマティックレビューとメタアナリシスにより、院内感染・ICU感染敗血症の疫学的エビデンスを集約した。

結論

51件が基準を満たした。22件は中・低所得国の研究、28件がICU、13件がNICU、10件が病院全体で実施された研究であった。治療されたすべての敗血症に対する院内感染敗血症の割合は、23.6%であった。ICUの臓器障害を伴う敗血症のうちICU感染敗血症は24.4%、48.7%は院内感染であった。患者1000人あたりの臓器不全を伴う院内感染敗血症発生率は9.3人、ICUでは56.5人で、NICUでは特に高かった。臓器不全を伴う院内感染敗血症ICU患者の死亡率は52.3%であった。

評価

敗血症全体の約1/4が院内感染で、死亡率も総じて高かった。敗血症疾病負荷の抑制戦略において、院内感染予防・制御は特に重大な役割を持つことになる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)