敗血症性ショックでのビタミンCカクテル、三度無効:ACTS試験も有意差なし
Effect of Ascorbic Acid, Corticosteroids, and Thiamine on Organ Injury in Septic Shock: The ACTS Randomized Clinical Trial
背景
敗血症性ショック患者にビタミンC・ステロイド・チアミンを投与することで死亡率が大きく低下するという前後研究が2017年に発表されて以降、これを検証する多くのランダム化比較試験が行われているが、現在まで結果が公表された2試験は有意な差を示せていない。Beth Israel Deaconess Medical CenterのMoskowitzらは、敗血症性ショック成人患者に、ビタミンC・ステロイド・チアミンまたはプラセボを割り付ける多施設ランダム化比較試験ACTSを実施した(n=205)。
結論
72時間の平均SOFAスコアは、介入群で9.1から4.4、プラセボ群で9.2から5.1へと低下し、統計的有意な相互作用を認めなかった。腎不全発症率はそれぞれ31.7%、27.3%、30日死亡率は34.7%、29.3%と、いずれも有意差はなかった。
評価
VITAMINS試験(http://doi.org/10.1001/jama.2019.22176)、HYVCTTSSS試験(https://doi.org/10.1016/j.chest.2020.02.065)に続いて、このACTS試験でもMarikカクテルの効果は認められなかった。複数の試験がなお進行中とみられるが、これ以上の検証は無益である可能性が高い。


