COVID-19における急性腎障害の影響は:系統的レビュー・メタ解析
Prevalence and impact of acute renal impairment on COVID-19: a systematic review and meta-analysis
背景
COVID-19患者の一部では急性腎障害が発生すると報告されているが、その詳細は。中国Hangzhou Medical CollegeのYangらは、システマティックレビューによりCOVID-19患者における異常尿所見・腎機能障害の有病率を報告した研究を特定し、メタアナリシスを実施した。
結論
COVID-19患者4,963名を含む24件の研究が含まれた。sCrの上昇は9.6%、BUNの上昇は13.7%でみられた。57.2%で蛋白尿、38.8%で蛋白尿+、10.6%で蛋白尿++以上であった。急性腎障害は全患者の4.5%で発症した。COVID-19の重症度別では軽症・中等症で1.3%、重症2.8%、critical例では36.4%で発症した。また死亡患者では52.9%、生存患者では0.7%で発症した。持続的腎代替療法を要した患者の割合は、重症患者で5.6%、非重症患者で0.1%、死亡患者では15.6%、生存患者0.4%であった。
評価
COVID-19患者でのAKI発症率の報告には幅があり、疾患重症度に依存していた。ベースラインでsCrが高い患者では警戒が必要とみられる。


