心停止中からの経鼻低体温療法、開始までの時間とアウトカムの関連は:PRINCESS試験のサブ解析
Time to intra-arrest therapeutic hypothermia in out-of-hospital cardiac arrest patients and its association with neurologic outcome: a propensity matched sub-analysis of the PRINCESS trial
背景
PRINCESS試験は、ヨーロッパ7ヶ国の救急医療サービスの目撃あり院外心停止(OHCA)患者(n=677)を対象に、経鼻的蒸散冷却法による病院前冷却または通常ケアを割り付けるランダム化比較試験であり、介入群と対照群で全生存率・神経学的良好生存率に差がないことを示している。スウェーデンKarolinska InstituteのAwadらは、心停止から冷却開始までの時間と神経学的アウトカムとの関連を検証するため、事前指定サブ解析を実施した。
結論
計300名が傾向スコアによりマッチングされた。90日時点での神経学的良好アウトカム(CPC:1-2)の割合は、早期介入群23.3%、対照群16%で、オッズ比は1.92であった。ショック可能患者(各群57名)では、それぞれ50.9%、29.8%、オッズ比3.25と介入群で有意に優った。またCPCが1の患者の割合も介入群で有意に高かった(20.7% vs. 11.3%、オッズ比2.27)。
評価
心停止発症後20分以内からの冷却が可能であった患者では、早期冷却が有効な可能性が示唆された。現時点で病院前低体温療法の有効性を示したRCTはないが、さらなる調査が保証されている。


