虫垂炎が見逃されるのはどんな患者か
Factors Associated With Potentially Missed Diagnosis of Appendicitis in the Emergency Department

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
JAMA Network Open
年月
March 2020
3
開始ページ
e200612

背景

虫垂炎の診断では鑑別すべき疾患が多く、特に救急では見逃しリスクが高いとされる。University of MichiganのMahajanらは、見逃された可能性のある虫垂炎患者(診断前30日以内に虫垂炎関連症状で受診)を、同日に診断された虫垂炎患者と比較し、虫垂炎の見逃しと関連する因子を特定した(N=123,711)。

結論

成人患者の6.0%、小児患者の4.4%が、初回受診時に虫垂炎を見逃された可能性があった。腹痛単独または悪心嘔吐と腹痛の合併患者は、虫垂炎を見逃される可能性が低く、腹痛と便秘を有した患者では見逃される可能性が高かった。症状によって層別化すると、女性・女児・併存疾患指数2以上では、見逃される可能性が高かった。一方、初診時にCTを受けた患者では見逃される可能性が低かった。

評価

商業保険データベースから虫垂炎の見逃しリスク因子を特定した。こうしたリスク情報が検証されていけば、特にリスクの高い患者においてCT検査やフォローアップ受診をガイダンスすることが可能になるかもしれない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)