虫垂炎が見逃されるのはどんな患者か
Factors Associated With Potentially Missed Diagnosis of Appendicitis in the Emergency Department
背景
虫垂炎の診断では鑑別すべき疾患が多く、特に救急では見逃しリスクが高いとされる。University of MichiganのMahajanらは、見逃された可能性のある虫垂炎患者(診断前30日以内に虫垂炎関連症状で受診)を、同日に診断された虫垂炎患者と比較し、虫垂炎の見逃しと関連する因子を特定した(N=123,711)。
結論
成人患者の6.0%、小児患者の4.4%が、初回受診時に虫垂炎を見逃された可能性があった。腹痛単独または悪心嘔吐と腹痛の合併患者は、虫垂炎を見逃される可能性が低く、腹痛と便秘を有した患者では見逃される可能性が高かった。症状によって層別化すると、女性・女児・併存疾患指数2以上では、見逃される可能性が高かった。一方、初診時にCTを受けた患者では見逃される可能性が低かった。
評価
商業保険データベースから虫垂炎の見逃しリスク因子を特定した。こうしたリスク情報が検証されていけば、特にリスクの高い患者においてCT検査やフォローアップ受診をガイダンスすることが可能になるかもしれない。