救急失神患者での意思決定ルール、Canadian Syncope Risk Scoreを検証
Multicenter Emergency Department Validation of the Canadian Syncope Risk Score
背景
Canadian Syncope Risk Scoreは、発症後24時間以内に救急を受診した失神患者の30日以内の重篤有害事象リスクを予測するために開発された臨床意思決定ルールである。カナダUniversity of OttawaのThiruganasambandamoorthyらは、同国9施設救急部門での前向コホート研究(n=3,819)により、CSRSの重篤有害事象(不整脈および心筋梗塞、器質的心疾患、肺塞栓症、出血)リスク予測能を検証した。
結論
30日間で、139名(3.6%)が重篤アウトカムを経験し、うち13名(0.3%)が死亡した。検証コホートの予測リスクと実際のリスクに差はなく、Calibration slopeは1.0、AUCは0.91であった。超低リスク群に分類された患者が、重篤アウトカムを経験する確率は1,631名中3名(0.3%)、超高リスク群では78名中40名(51.3%)であった。しきい値−1の場合のCSRS感度は97.8%、特異度は44.3%であった。
評価
類似の臨床スコアとしてFAINTが開発されているが、こちらの特異度は20%台であり(https://doi.org/10.1016/j.annemergmed.2019.08.429)、CSRSが優った。CSRSで超低リスク・低リスクに分類された患者は安全に退院可能と考えられる(https://www.mdcalc.com/canadian-syncope-risk-score)。


