ICUせん妄の期間・重症度と関連するバイオマーカーは
Biomarkers of Delirium Duration and Delirium Severity in the ICU

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Critical Care Medicine
年月
March 2020
48
開始ページ
353

背景

せん妄の病態生理学的モデルに基づき、全身炎症や神経障害と関連するバイオマーカーが提案されているが、せん妄の期間や重症度と関連するマーカーは何か。Indiana UniversityのKhanらは、3施設321名の重症せん妄患者において、せん妄発症時に採取されたバイオマーカーとせん妄期間・重症度との関連を評価した。

結論

各因子を調整後、IL-6、IL-8、IL-10、TNF-α、CRP、S-100βの第4四分位は、せん妄・昏睡-free日数と負に関連した。IGF-1の第4四分位は関連しなかった。IL-6、IL-8、IL-10、TNF-α、CRP、S-100βは、最初1週間のせん妄重症度とも関連した。IL-6、IL-8、IL-10は、退院時まで重症度との関連が維持された。IL-8とS-100βの第4四分位は、院内死亡率と関連した。

評価

炎症性マーカーILやアストロサイトマーカーS-100βなどが、せん妄期間・重症度と関連することを明らかにした。早期にせん妄の重症度を知れるだけでなく、新たな介入の効果を計る上でも有用な知見となりそうだ。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)