市中肺炎のバイオマーカー、正確なのはCRP
Accuracy of Biomarkers for the Diagnosis of Adult Community‐acquired Pneumonia: A Meta-analysis

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Academic Emergency Medicine
年月
March 2020
27
開始ページ
195

背景

市中肺炎が疑われる患者の診断において、CRPやプロカルシトニン(PCT)などをオーダーする意義はあるのか。University of GeorgiaのEbellらはシステマティックレビューにより、急性咳嗽・市中肺炎が疑われる患者におけるバイオマーカーの精度を評価した前向研究を特定した。

結論

14件の研究が含まれた。CRPの精度が最も高く(ROC:0.802)、白血球数増加(0.777)、PCT(0.771)と続いた。LBPとフィブリノゲンは有望であったが、いずれも研究は1件のみであった。CRPとPCTのカットオフ値を上げると、陽性尤度比・陰性尤度比も上昇した。CRPが49.5mg/L超、プロカルシトニンが0.1μg/L超の場合、陽性尤度比は2.24、陰性尤度比は0.44であった。

評価

CRPが最も正確であり、診断を補助するマーカーとして有用な可能性がある。CRP、PCTは抗菌薬投与のガイドとしても提案されている。また、COVID-19でhs-CRPが上昇する、という武漢報告がある(https://www.ajronline.org/doi/full/10.2214/AJR.20.22975)。

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取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)