高齢患者は救急に何を求めているか:システマティックレビュー
What older people want from emergency care: a systematic review
背景
医療に対する患者の期待は、ケア経験、ケアへの満足度に大きな影響を与えるが、救急の高齢患者は救急に何を求めているのか。イギリスUniversity of Leicesterのvan Oppenらは、システマティックレビューにより、救急の高齢(65歳以上)患者が救急医療に対して有している期待を調査した。
結論
26報が含まれた。高齢患者は、若年患者と同様、短い待ち時間、有効なケア、明解なコミュニケーション、快適性を希望していたが、若年患者で一般的な平易な言葉の使用は、期待されていなかった。高齢患者に特有のテーマとしてvulnerabilityの感覚が挙げられた。高齢患者は、病状への不安、救急内での孤独への恐れ、医療者に無視されることへの恐れなどを有しており、話し合いの場で積極的な参加者として扱われることを求めていた。
評価
高齢者特有のテーマがいくつか抽出されたが、レビュー全体を通して高齢患者一般とでもいうべきテーマは見出されなかった。著者らは、ひとくくりの「高齢患者」としてではなくひとりの患者として、person-centeredなケアが提供されるべきと訴えている。