鈍的外傷小児での頸椎損傷を予測する因子は?
Cervical Spine Injury Risk Factors in Children With Blunt Trauma

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Pediatrics
年月
July 2019
144
開始ページ
e20183221

背景

成人では鈍的外傷後の頸椎損傷を予測するリスクスコアが存在するが、小児では存在しない。Ohio State UniversityのLeonardらは、鈍的外傷により救急医療サービスが起動し、外傷評価または頸椎画像検査を受けた小児患者(n=4,091)での前向観察研究を行い、頸椎損傷リスク因子の精度を評価し、PECARNモデルと新たに開発した頸椎損傷リスクモデルを比較した。

結論

74名(1.8%)が頸椎損傷を有した。水への飛び込み、軸圧負荷axial load、clothesline損傷、意識消失、頸部痛、頸部動作不能、精神状態の変化、頭蓋底骨折の徴候、体幹損傷、胸部損傷、挿管、呼吸窮迫、酸素飽和度低下、神経学的異常の14因子が頸椎損傷と関連した。頸椎損傷に対するPECARNルールの感度・特異度は、90.5%・45.6%であり、新たに開発されたモデル(7変数)の感度・特異度は92.0%・50.3%であった。

評価

頸椎損傷は重大ではあるが稀であり、不要なCTによる放射線曝露は可能な限り回避される必要がある。この前向研究はPECARNモデルの精度を確認し、現在進行中のリスクツール開発をサポートする。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)