鈍的外傷小児での頸椎損傷を予測する因子は?
Cervical Spine Injury Risk Factors in Children With Blunt Trauma
背景
成人では鈍的外傷後の頸椎損傷を予測するリスクスコアが存在するが、小児では存在しない。Ohio State UniversityのLeonardらは、鈍的外傷により救急医療サービスが起動し、外傷評価または頸椎画像検査を受けた小児患者(n=4,091)での前向観察研究を行い、頸椎損傷リスク因子の精度を評価し、PECARNモデルと新たに開発した頸椎損傷リスクモデルを比較した。
結論
74名(1.8%)が頸椎損傷を有した。水への飛び込み、軸圧負荷axial load、clothesline損傷、意識消失、頸部痛、頸部動作不能、精神状態の変化、頭蓋底骨折の徴候、体幹損傷、胸部損傷、挿管、呼吸窮迫、酸素飽和度低下、神経学的異常の14因子が頸椎損傷と関連した。頸椎損傷に対するPECARNルールの感度・特異度は、90.5%・45.6%であり、新たに開発されたモデル(7変数)の感度・特異度は92.0%・50.3%であった。
評価
頸椎損傷は重大ではあるが稀であり、不要なCTによる放射線曝露は可能な限り回避される必要がある。この前向研究はPECARNモデルの精度を確認し、現在進行中のリスクツール開発をサポートする。