新生児の発熱、侵襲性細菌感染症リスクの低い児を特定する予測モデル
A Prediction Model to Identify Febrile Infants ≦60 Days at Low Risk of Invasive Bacterial Infection
背景
新生児の発熱は侵襲性細菌感染症が疑われることから、入院や髄液採取が必要となる。Yale School of MedicineのAronsonらは、11施設救急部門を受診した60日未満の新生児発熱患者での症例対照研究を行い、菌血症・細菌性髄膜炎を特定する予測モデルを開発、さらにこれを内部検証した。
結論
侵襲性細菌感染症患者181名(菌血症85.6%・細菌性髄膜炎14.4%)、対照362名が含まれた。感染症患者の12.7%、対照患者の38.1%は、救急受診時には発熱が治まっていた。侵襲性細菌感染症を予測する4つの因子が同定された。日齢21未満、救急での体温38.0-38.4°Cまたは≧38.5°C、好中球絶対数5185/μL以上、尿検査陽性からなるスコアが開発された。スコア2以上の感度は98.8%、特異度は31.3%であり、とくに髄膜炎患者は全員スコア2以上であった。
評価
すでに発熱が治まっている児も含めて、プロカルシトニンなしでリスク評価が可能なルールであり、不要な腰椎穿刺・入院の削減に資すると思われるが、外部検証は必須である。