ARDS患者で体外式CO2除去を用いて超低一回換気量を実現:SUPERNOVA研究
Feasibility and safety of extracorporeal CO2 removal to enhance protective ventilation in acute respiratory distress syndrome: the SUPERNOVA study
背景
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者では、低一回換気量による肺保護的換気が推奨されているが、さらに低い一回換気量は呼吸性アシドーシスのリスクがある。フランスSorbonne UniversiteのCombesらは、中等度ARDS患者での超肺保護的換気を容易にするために、体外式CO2除去(ECCO2R)が実現可能・安全かを検証する多施設第2相試験を実施した(n=95)。
結論
患者の78%が8時間以内に、82%が24時間以内に、PaCO2がベースラインから20%以上増加しない範囲での超保護的換気(一回換気量4 mL/kg、プラトー圧≦25 cmH2O)を達成した。重篤有害事象は6件、うち2件がECCO2Rによるものであった。ECCO2R関連有害事象は39%で報告された。28日生存率は73%であった。
評価
ECCO2Rを用いることで、患者を呼吸性アシドーシスのリスクにさらすことなく超低一回換気量を実現可能なことを示したが、安全性・臨床ベネフィットについてさらなる検証が必要である。同テーマのRCTとして、呼吸不全患者でのREST試験(NCT02654327)が進行中である。


