ビッグデータを用いて敗血症を4つの臨床型に分類:米NIHのSENECAプロジェクト
Derivation, Validation, and Potential Treatment Implications of Novel Clinical Phenotypes for Sepsis
背景
敗血症は異質性の大きい疾患であり、そのことが有効な治療法の探索を困難にしている可能性がある。University of PittsburghのSeymourらによるSepsis Endotyping in Emergency Care(SENECA)プロジェクトは、Sepsis-3基準を満たした敗血症患者(n=20,189)で、統計、機械学習、シミュレーションツールを用いた後向解析を行い、敗血症を複数の表現型に分類、これを二次データベースで検証した。
結論
4つの表現型に分類された。最も多いα型(33%)は昇圧剤投与が少なく、続くβ型(27%)は高齢で慢性疾患・腎機能障害を有する患者が多く、γ型(27%)には炎症・肺機能障害が多くみられ、δ型では肝機能障害および敗血症性ショックが多かった。28日死亡率はα型が最も低く(5%)、β型(13%)、γ型(24%)、δ型(40%)と続いた。特にδ型は、すべてのコホート・RCTを通じて最も死亡率が高かった。過去のRCTでのシミュレーションモデル検証では、表現型の頻度を変えると試験結果が大きく変化した。
評価
敗血症の治療は、基本的にはone-size-fits-allなもので、このことが敗血症の理解と有効な治療の開発を阻害してきた可能性がある。本研究の分類に基づきProCESS試験を再検討した結果、α型患者ではEGDTが有効、反対にδ型では有害な可能性が示された。敗血症における治療個別化に向けた重要な提案である。


