ICU急性呼吸不全患者での挿管時HFNCで合併症が減少:PROTRACH試験
Nasal high-flow preoxygenation for endotracheal intubation in the critically ill patient: a randomized clinical trial
背景
高流量鼻カニューラ(HFNC)による挿管前の酸素化および挿管中の無呼吸酸素化(Apneic Oxygenation)が有効であることを示すエビデンスが多く現れている。フランスCentre Hospitalier du MansのGuittonらは、低酸素でないICU重症患者での迅速導入気管挿管において、バッグバルブマスクによる前酸素化とHFNCによる前酸素化・無呼吸酸素化を比較するランダム化比較試験PROTRACHを実施した(n=192)。
結論
SpO2最低値の中央値は、HFNC群100%・BVM群99%と差はなかったが、中等度の酸素飽和度低下(95%以下)は、HFNC群で12%、BVM群では23%とBVM群で多かった(リスク比0.51)。有害事象はHFNC群6%・BVM群19%(0.31)、重篤有害事象は各6%・16%(0.38)とBVM群で多かった。
評価
低酸素患者で行われた同著者らのPREOXYFLOW試験は失敗に終わったが(https://doi.org/10.1007/s00134-015-3796-z)、この試験では複数の二次アウトカムでHFNCに軍配が上がった。フランスからは前酸素化でのHFNCとNIVを比較するFLORALI-2試験も発表されている(https://doi.org/10.1016/S2213-2600(19)30048-7)。


