敗血症性ショック初期蘇生における早期ノルアドレナリン:第II相CENSER試験
Early Use of Norepinephrine in Septic Shock Resuscitation (CENSER) : A Randomized Trial
背景
敗血症性ショックにおける第一選択昇圧剤であるノルアドレナリンだが、初期蘇生での使用は有効か。タイMahidol UniversityのPermpikulらは、低血圧を伴う敗血症成人患者を、初期ノルエピネフリン群と標準治療群に割り付けるプラセボ対照ランダム化比較試験を実施した(n=310)。
結論
救急到着からノルアドレナリン投与までの時間は、初期ノルアドレナリン群で有意に短かった(93分 vs. 192分)。6時間目までのショックコントロール率は初期ノルアドレナリン群で高かった(76.1% vs. 48.4%)一方で、28日死亡率には有意な差はなかった(15.5% vs. 21.9%)。また初期ノルアドレナリン群では心原性肺水腫(14.4% vs. 27.7%)・不整脈(11% vs. 20%)も少なかった。
評価
敗血症関連低血圧の初期蘇生における早期ノルエピネフリン使用はSurviving Sepsis Campaignバンドルでも支持されているが、明確なエビデンスは欠けていた。この単施設RCTは早期ノルエピネフリン群で良好なショックコントロールが達成されることを示し、より大規模な試験を正当化する。


